外来種のリスとは?
前回、前々回で触れたように、本州以南で外来種のリスというと、キタリス、シマリス、そしてタイワンリス(学名:クリハラリス)の3種類がいます。
このうち、キタリスとシマリスは、北海道では、エゾリスとエゾシマリスとして在来種に指定されています。
でも、本州で見かけるキタリスはエゾリスではなく、大陸から持ち込まれたキタリスが野生化して増えたものだそうで、れっきとした(?)外来種なのです。
シマリスも同じ。
北海道の在来種のエゾシマリスではなく、チョウセンシマリスといって朝鮮半島や中国大陸からもちこまれたものが野生化したリスなのです。
(これはタイワンリスのイメージ写真です)
(これはキタリスのイメージ写真です)
(これはシマリスのイメージ写真です)
どうして外来種がもちこまれたの?
タイワンリスやチョウセンシマリスは、昔からペット用に輸入されていたそうです。
キタリスも、近年になって「エゾリス」と偽ってペットショップなどで販売されるようになったとか。
それに先立って、いろいろな組織や団体がリスを大量に輸入した時期がありました。
リス園や、ニューヨークやロンドンみたいにリスが走り回る公園をつくるためです。
伊豆大島につくられたタイワンリス園(正式名称不明)が有名ですね。
(これはセントラルパークのイメージ写真です)
どうして外来種のリスたちが増えていったの?
しかし、その人間たちの試みはみんな失敗しました。
伊豆大島のケースは経営がなりたたなくなって倒産。
園は閉鎖されてしまいます。
タイワンリスたちをそこに残したまま……。
チョウセンシマリスのケースは、数多くのシマリスが野に放たれたものの、彼らよりも大きなクマネズミやドブネズミにおそわれるという悲劇が発生してしまったのです。
シマリスは冬眠をします。
ほとんどの子が地中に穴を掘ってその中で眠ります。
その冬眠中のシマリスたちを、ネズミたちが捕食したのです。
シマリスの習性や生態に関する知識の欠如で、多くのいのちが失われてしまったということ、とても残念です。
いずれにしても、ニホンリスの存在をおびやかしている外来種の問題は、そういったリスたちの生き残りが野生化したことに端を発しているのです。
次回は、外来種のリスが増えるとどうして問題なのか、についてお話ししたいと思います。
この記事を書いた人: Kazusa