今回は、前回予告したように、ニホンリスがオニグルミをどうやって完食するのか、その驚異の4つのステップをご紹介します。
ステップ1
まず、これ、というオニグルミを選り分けて両手に取る、または直接口にくわえます。
オニグルミは、2つのお椀型の殻が接合してひとつのオニグルミを作っています。
ニホンリスたちは、その接合部分に門歯(前歯)を当ててカリカリとかじりながら、両手でそのクルミをクルクルと回していきます。
そうすると、接合部分に少しずつ隙間がありていきます。
ほら、見てください。
隙ができているの、わかりますか?
ステップ2
やがてそのオニグルミ、パッカーンと2つに割れます。
そうしたら、ニホンリスたちは、そのオニグルミをお椀のように重ねて手の上にのせるのです。
さあ、いよいよ食べられるぞ、ってすごくうれしそうに…。
で、上のお椀から中身を食べていくのです。
そのとき、門歯ではなく、下の歯を上手に使って、中に入っている実(「仁」といいます)を削り取っていきます。
中身が空っぽになったら、そのお椀、ポイって放り投げて、次は下のお椀に取り掛かります。
ステップ3
ほら、これが上のお椀を投げ捨てて、下のお椀を食べはじめているときの写真です。
ね、何だかとっても幸せそうな顔をしていると思いませんか?
ステップ4
さて、いよいよ完食です。
そうしたら、上のお椀のときのように、下のお椀もポイって投げ捨てるのですが、このときが面白いのです。
必ず、本当に、か・な・ら・ず、枝の下、つまり落としたところをのぞきこむのです。
これって、どういう思いでのぞきこんでいるのか、残念ながら未だ解明できていません。
「ああ、美味しかった、もっとかじっておくべきだったかなあ」って名残惜しんでいるのか、それとも、「ちゃんと下に落ちたかな?」って確認しているのか…。
リスのみぞ知る、ですね。
ね、かわいいでしょう。
次回は、オニグルミのことと、ニホンリスとアカネズミの食痕の違いについてお話ししたいと思っています。
この記事を書いた人: Kazusa