外来種の問題とは?
外来種のリスもいのちをもった生きものです。
その外来種のタイワンリスやキタリスが、鎌倉や岐阜や狭山丘陵地帯などで増えすぎて、特定外来種に指定されてしまいました。
特定外来種に指定されると駆除されます。
元はといえば、人間たちの不始末が原因なのに、何とも胸が痛い話です。
どうして外来種が増えると困るの?
その1 競合が起こること
外来種が増えると、まず採食のバランスがくずれます。
森の中では、食べるいのちと食べられるいのちがバランスを取り合って、ひとつの生態系をつくりあげています。
そこに今までいなかった外来種が入りこんで増えていくとどうなるでしょう。
当然、エサの取り合いがはじまりますね。
(写真はタイワンリスのイメージ写真)
タイワンリスなどはニホンリスよりも大きく、性格も攻撃性があるので、臆病なニホンリスはとても太刀打ちできずに追い払われてしまいます。
キタリスも同じです。
現に、鎌倉で増えたタイワンリスは、箱根や丹沢のニホンリスの生存をおびやかしはじめています。
狭山丘陵地帯でも、キタリスがそこに生息していたニホンリスを追い払っていて問題になっています。
(写真はキタリスのイメージ写真)
シマリスは、小さいからだいじょうぶ、と思われるかもしれませんが、エサの取り合いが起こることには変わりありません。
それに、シマリスよりも小さい生きものへの影響が懸念されています。
実際に長野県では、日本固有種のヤマネの生息場所を奪いはじめているということで、問題になっているんですよ。
(写真はシマリスのイメージ写真)
その2 ウィルスや寄生虫の問題
もうひとつ、外来種が増えると心配なことがあります。
今まで日本に存在していなかったウィルスや寄生虫がもちこまれるという問題です。
人間の世界ではすでに起こっていることですが、ひょっとしたら動物の世界ではもっと前からそういった問題が起こっているのかもしれません。
知るは神さまだけで……。
でも一番心配なのは交雑の問題
でも、外来種が入りこんで一番心配しなければならないのは、交雑の問題なのす。
交雑が発生すると、わけのわからないリスがどんどん誕生して、日本の大切な固有在来種ニホンリスの純粋な遺伝子を残していくことができなくなります。
ニホンリスやその他日本の在来種は、動物や植物など種類を問わず、どれも日本の大切な文化です。
わたしたち日本人にはそういったいのちを守り育んでいく責任があります。
そういった視点で森の中を見つめる人が増えることを切に願います。
この記事を書いた人: Kazusa