孤高の鳥、アカゲラ
アカゲラは、群れをなしません。
ほかの野鳥がいるところへもほとんど近づきません。
超然と、まるで孤独を楽しんでいるようです。
胸を張って太くて鋭いくちばしを天に向けて空を見上げる姿は凛としていて、近づきがたい美しさを感じます。
森に響く神秘の音
早朝、森の中に出ると、金属線がビンビンとふるえているような音が聞こえてきます。
この森の中に住みはじめたころは、それが何の音かわかりませんでした。
しばらくしてからそれが、アカゲラのドラミングの音だということがわかりました。
つまり、木の幹をつついている音です。
さすがキツツキ。
1秒間に数回~20回もの速さでつつきます。
アカゲラやほかのキツツキ類の野鳥たちは、このドラミングで木の幹にひそんでいる害虫をとりだしているのです。
そして木々を守ってくれているのです。
でも、ドラミングはそれだけののための行為ではありません。
ひとつは、オスがメスを呼び寄せるため。
もうひとつは、縄張りを主張するために行っているのです。
アカゲラの美しさは、何といってもその色合いにあります。
黒と白と赤のコントラストは、森の中でひときわ目をひきます。
黒と白の幾何学模様がモダンで美しいつばさ。
森一番のおしゃれさん
そしてその名が示すごとく、赤を上手に使ったおしゃれ上手さん。
特にオス。
まっ赤なベレー帽をかぶって、お尻には赤いパンツをはいて、なかなか粋です。
メスは赤いスカートだけでベレー帽はかぶっていません。
下の写真を見てください。
左がオスで右がメスです。
こんな美しい容姿をいただいて、アカゲラって、神さまに愛されていたんだなあって思ってしまいます。
夫唱婦随のオシドリ夫婦
アカゲラは繁殖期になると、夫婦が力を合わせて巣作りと子育てをします。
Kazusaの森でも、春になると、数組のアカゲラのつがいが、「キョッキョッキョッ」と甲高い声を森中に響かせて飛び交います。
「おれの後をついてこい」っていっているのかどうかはわかりませんが、オスの後をメスが追いかけている姿をよく目にします。
えさも、オスが先に見つけてメスを呼び寄せているようです。
仲良しなんですね。
アカゲラの大好物
軽井沢は冬になると何もかも雪に埋もれたり凍ったりして食べるものがなくなります。
そのためにKazusaの森では、冬場だけ、野鳥のためにヒマワリの種を置いて給餌をしてあげます。
でもアカゲラは、ヒマワリの種には目もくれません。
その代わりに、ニホンリスたちのために置いてあげているハシバミを、いち早く見つけてはつまんでもっていってしまいます。
ラードも大好きです。
厳寒の軽井沢の長い冬、どのいのちも栄養を蓄えて生き抜いてほしいと願います。
この記事を書いた人: Kazusa